2015年8月16日日曜日

染色知識 其の四 〜浸し染めの方法〜

「浸し染めの方法」について

先月からのんびりと連載のような形で「染め」についてのお話をさせて頂きましたが、それも今回で最終回です。

最後は浸し染めでウール糸を染める方法をご紹介させていただきます。
染めるひとそれぞれ、やりやすいやり方があると思います。
わたしも自分に合ったやり方を模索しては取り入れています。なのでこの方法だけが正解というわけではありませんが、一般的なやり方との大きな部分での相違はないと思います(おそらく)。
では、早速。

①鍋に水をはります。染める糸の約30倍の水を用意して下さい。
つまり、前回も書きましたが100gの糸を染めたいのであれば3リットルの水を用意して下さい。

②鍋を火にかけ、30℃まで水温を上昇させます。

③その間に染料を用意します。
染料はメーカーによって必要なグラム数が変わってくると思うので、説明書をよく読んでください。必要な量の染料を計り、小さいボールに入れます。少量の熱湯をボールに入れ(このときたくさんの熱湯を一気にいれると染料がだまになって溶けにくくなる場合があるので、少しずつ慎重に入れるようにしてください)、スプーンなどで染料を溶いていきます。溶けにくいようでしたら、再び少しの熱湯を注ぎ足してください。

④染料が完全に溶けたのを確認したら、水温が30℃になった鍋に投入します。

⑤糸を染色棒などにかけ、ゆっくりと鍋の中にいれます。
そして温度がまだ低いうちに糸を繰り、全体に染料を行き渡らせます。このときにちゃんと糸を繰れていないと染めムラが出来ますのできっちりと繰りましょう。
さらにウールは押したり揉んだりするとフェルト化しますので、出来る限りのやさしさを以て繰るようにしましょう。あなたの糸への愛情が垣間見える瞬間でもあります。

⑥糸全体に色がついたら、もう完全に鍋の中に沈めてしまっても大丈夫です。ここからゆっくりと温度を上げていきます。そして、もう糸には触れてはいけません。ほんのちょっと様子を見るだけ。機嫌の悪い猛獣が寝ているかどうか確かめるように、やさしくツンツンと触るくらいならオーケーですが、揺さぶり起こすかのごとくかき混ぜるのは絶対にいけません。

⑦30分くらいかけて水温を80〜90℃に上げます。そしてさらに30分、その温度を保ちます。
この時間はあなたの好きに使っても大丈夫。音楽を聴いても、編み物の続きをしても大丈夫。でも面白すぎる映画を観るときには注意が必要。夢中になりすぎて鍋の中が煮立ってしまわないように気をつけましょう。

⑧さて、30分後に鍋の水をよく見ると(その30分間もあなたは気になって何度も鍋を覗いていたはずで、それはとても正しい行為なのですよ)、澄んだ色、もしくは限りなく透明に近い・・・色になっているはずです。それは染料が糸にしみ込んだ証拠で、ゴールまであと少しというところまできています。
ティースプーンに半分〜軽く1杯くらいのクエン酸を鍋に投入します。くれぐれも糸に直接掛けないように注意しましょう。
そこから5分くらい待つと水が完全に透明になるはずです。火を止めましょう。

⑨鍋を放置し、完全に水温が下がるのを待ちます。
このとき絶対にしてはいけないことは、まだ熱いうちに糸を水につけてしまうこと。ウールは急激な温度変化にとても弱いのです。びっくりしてきゅっとフェルト化してしまうので、気をつけましょう。
水温が30℃くらいまで下がったら、同じくらいの温度の水で2〜3回すすぎます。

⑩タオルで水気を切り、出来れば洗濯機で脱水します。
直射日光の当たらない日陰に干し、乾かします。


これであなたも染色名人!
もし興味が湧いたら自分好みの色に糸を染めてみて下さい。
空だって海だって森だって時間や季節を超えて様々な色に染まります。きっとこの世に染められないものなんてないんですよ!
そう、恋人の心だっていつかは染まるのです。
人肌を確かめるときに手を握ってみれば、頬を染めるようにね。

「染色とは」はこちら


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