染色知識 其の四 〜浸し染めの方法〜
「浸し染めの方法」について 先月からのんびりと連載のような形で「染め」についてのお話をさせて頂きましたが、それも今回で最終回です。 最後は浸し染めでウール糸を染める方法をご紹介させていただきます。 染めるひとそれぞれ、やりやすいやり方があると思います。 わたしも自分に合ったやり方を模索しては取り入れています。なのでこの方法だけが正解というわけではありませんが、一般的なやり方との大きな部分での相違はないと思います(おそらく)。 では、早速。 ①鍋に水をはります。染める糸の約30倍の水を用意して下さい。 つまり、前回も書きましたが100gの糸を染めたいのであれば3リットルの水を用意して下さい。 ②鍋を火にかけ、30℃まで水温を上昇させます。 ③その間に染料を用意します。 染料はメーカーによって必要なグラム数が変わってくると思うので、説明書をよく読んでください。必要な量の染料を計り、小さいボールに入れます。少量の熱湯をボールに入れ(このときたくさんの熱湯を一気にいれると染料がだまになって溶けにくくなる場合があるので、少しずつ慎重に入れるようにしてください)、スプーンなどで染料を溶いていきます。溶けにくいようでしたら、再び少しの熱湯を注ぎ足してください。 ④染料が完全に溶けたのを確認したら、水温が30℃になった鍋に投入します。 ⑤糸を染色棒などにかけ、ゆっくりと鍋の中にいれます。 そして温度がまだ低いうちに糸を繰り、全体に染料を行き渡らせます。このときにちゃんと糸を繰れていないと染めムラが出来ますのできっちりと繰りましょう。 さらにウールは押したり揉んだりするとフェルト化しますので、出来る限りのやさしさを以て繰るようにしましょう。あなたの糸への愛情が垣間見える瞬間でもあります。 ⑥糸全体に色がついたら、もう完全に鍋の中に沈めてしまっても大丈夫です。ここからゆっくりと温度を上げていきます。そして、もう糸には触れてはいけません。ほんのちょっと様子を見るだけ。機嫌の悪い猛獣が寝ているかどうか確かめるように、やさしくツンツンと触るくらいならオーケーですが、揺さぶり起こすかのごとくかき混ぜるのは絶対にいけません。 ⑦30分くらいかけて水温を80〜90℃に上げます。そしてさらに30分、